早期大腸癌 : 内科治療の進歩
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概要
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早期大腸癌に対する内科治療の進歩について, 内視鏡治療と化学予防を中心に概説した. 内視鏡的粘膜切除術 (EMR) の手技が大腸領域にも導入され処置具などの改良もともない, 表面型腫瘍や大きな結節集族病変などのEMRが可能となった. さらに, 他の消化管癌とは異なる大腸癌の病理組織学的特徴も明らかになり, 分割EMRやsm癌への内視鏡治療の適応拡大が積極的に行われている. 最近, 切開・剥離EMRが登場し, 従来のスネアEMR法では一括切除できない大きな腫瘍にも一括切除が可能となったが, 大腸の解剖学的および生理学的特性, 手技の難易度や安全性, また早期大腸癌の病理学的特性などの点で解決すべき問題が多く, 現時点ではまだ一般的な手技ではない. 一方, COX-2 inhibitorが大腸腫瘍の化学予防に有効であるとともに, 大腸癌の浸潤・転移能も抑制することが明らかになってきており, 今後の臨床応用が期待される.
- 財団法人 日本消化器病学会の論文
- 2004-05-05
著者
-
田中 信治
広島大学光学医療診療部
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茶山 一彰
広島大学大学院分子病態制御内科学
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茶山 一彰
広島大学大学院 分子病態制御内科学
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岡 志郎
広島大学 内視鏡診療科
-
岡 志郎
Ja広島厚生連尾道総合病院 内視鏡センター
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茶山 一彰
広島大学消化器・代謝内科
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岡 志郎
広島大学光学医療診療部
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田中 信治
広島大学医学部光学医療診療部
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