認知科学的実験授業アウトカムズ評価の試み
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概要
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学生にとってはじめての大型で複雑な装置(加速器)を用いる実験授業で,終了後の学生の対象理解度を知る目的で,認知科学的手法を設計した.学生には一人一人A4紙一枚にコメント付きで加速器システムのブロックダイアグアムモデルを描かせ,教師の前で説明させた.全体を見た結果,予想以上にはっきりと脳内の理解イメージが抽象モデルの形で得られた.提案手法は教師と学生の両方にとって大きなメリットがあった.教師にとっての意義は,学生の対象理解モデルを直接的に把握できたこと;学生の不完全な理解や誤解(勘違い)を発見し,修正できたこと;学生の理解度,抽象化・説明能力の判定が客観的にできたこと;これらから実験の改善に有用な情報を得たことである.一方,学生にとっても,正しいモデルを獲得できたことと,表現や説明能力の良い訓練となったことは有益であった.この方法は,通常の講義授業においても適用可能である.
- 社団法人 日本工学教育協会の論文
- 2002-05-20
著者
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