発達障害の遺伝子研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
発達障害の分類,定義について,現在どのように理解されているかについて紹介し,議論した.次に,遺伝子の構造および機能,役割について概説した後,遺伝子にどのような変化がおこると,最終的にタンパクの機能が障害され,疾患をもたらすかを説明した.遺伝子解析に最も有力な手段となっているPCR (polymerase chain reaction)の原理についても解説し,この方法をもちいての発達障害の遺伝子解析の結果の3つを紹介した.(1)レッシューナイハン症候群をひきおこすHPRT遺伝子の変異は,遺伝子のどの位置でもおこりうること,また極めてまれな愛知県コロニーで発見された世界最初の女児例について,これまでの遺伝子解析を紹介した.(2)我々が世界で最初に発見した赤血球型AMPデアミナーゼという酵素の欠損について遺伝子解析を行ったところ,75%が同じ変異をもち,残りの25%は種々の異なった変異をもっていた.(3)軟骨無形成症では,線維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)の変異で発症し,変異はこの受容体が細胞膜を貫通する部位に特異的におこっていた.以上,発達障害の変異には,(1)ランダムにおこる,(2)75%が同じ変異,(3)特定の位置に同じ変異がおこる,の3種がある.
- 2001-12-25
著者
関連論文
- HPRT欠損症と高尿酸血症
- Lesch-Nyhan 症候群患者に新しく同定された転座変異の解析
- HPRT欠損症の新たな原因遺伝子変異
- HPRT欠損症の遺伝子解析
- 赤血球型AMPデアミナーゼ完全欠損の遺伝子変異 : 稀な2変異の複合ヘテロ接合体
- 131. Apparent 21 monosomyを示した。catcry syndrome
- P-297 Lesch-Nyhan症候群の原因遺伝子解析と出生前診断への応用
- Lesch-Nyhan症候群におけるHPRT遺伝子変異と異常mRNAの発現
- II-C-181 腸管大量切除後の残存腸管における代償機能の実験的研究
- 新たに同定されたHPRT遺伝子変異とその表現型
- 新たに同定された Lesch-Nyhan 症候群およびHPRT部分欠損症の遺伝子変異
- A Common Mutation in the Tyrosine Kinase Domain of the Fibroblast Growth Factor Receptor 3 Gene in Two Japanese Patients with Hypochondroplasia
- Identification of Mutations in the Gene Encoding the Fibroblast Growth Factor Receptor 3 in Japanese Patients with Achondroplasia
- Lesch-Nyhan 症候群患者に新しく同定された転座変異の解析
- HPRT部分欠損症の診断と遺伝子解析
- 腸管大量切除後の残存腸管における代償機能の実験的研究 : 第2報,腸管オルニチン脱炭酸酵素の変動を中心として
- I-C-10 腸管広範切除後の残存腸管における代償機能の実験的研究 : 第 2 報腸管オルニチン脱炭酸酵素の変動について
- 発達障害の遺伝子研究
- Lesch-Nyhan症候群 (遺伝子疾患解析の発展)
- X染色体の遺伝子の異常--HGPRT遺伝子を中心に (発達障害)
- IMP dehydrogenase in human leukemic cells
- Hypoxanthine guanine phosphoribosyltransferase(HPRT)gene mutations in Korean families with Lesch-Nyhan syndrome.
- Cloning of a cDNA Encoding Human Erythrocyte Type AMP Deaminase and Molecular Analysis of Mutant gene Responsible for Deficiency.
- Enzyme disorders and diseases.
- Prenatal diagnosis of HPRT mutant genes in Lesch-Nyhan syndrome
- Lesch-Nyhan症候群患者に新しく同定された転座変異の解析