Dock4.0を用いた非ステロイド性抗炎症剤のCOX1およびCOX2に対する結合モードに関する研究
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概要
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COX1の酵素活性に影響を与えることなくCOX2 を選択的に阻害する薬物が理想的な非ステロイド性抗炎症剤(NSAID)であるといわれている。そこで、Dock4.0を用いて、NSAIDのCOX1とCOX2に対する阻害モードの研究を水素結合と結合エネルギーの点から試みた。COX2に選択性の有るNSAIDの阻害モードは、R.S. Spangler (Seminars in Arthritis and Rheumatism, 26, 435-446 (1996)の報告しているin vitroのパターンと類似していることがわかった。従って、Dock4.0と報告されているin vitro研究の結果の間にはかなり良い相関性があるといえる。COX1の阻害モードに関しては1種類が類似、他の1種類が類似せず、3番目は中間であったnabumetone, meclofenamate, niflumic acid, indomethacin, sulindac, および flurbiprofenのごときNSAIDがCOX2に結合する場合、1から3種類(延べ少なくとも12種類)の水素結合が存在することがわかった。 このような水素結合の形成に関与するアミノ酸残基は、phe A518, Arg A120, Tyr A385, His A90, および Tyr A355 であった。Phe A518, およびHis A90 はすでにR. G. Kurumbail et al. (Nature, 384, 644-648 (1996)) によって報告されているが、それ以外のアミノ酸残基についてはいまだ報告されていなくCOX2と阻害剤の結合様式は想像以上に複雑であるといえる。
- 化学ソフトウェア学会の論文
- 1999-12-15
著者
-
中野 英彦
姫路工業大学大学院工学研究科物質系工学専攻
-
中野 英彦
姫路工業大学工学部応用化学科
-
赤穂 栄一
神戸学院大学薬学部
-
藤川 智香子
神戸学院大学薬学部
-
RUNION Howell
School of Pharmacy, University of the Pacific
-
HILL Craig
School of Pharmacy, University of the Pacific
-
中野 英彦
姫路工業大学工学部
-
中野 英彦
姫路工業大学大学院工学研究科
-
Hill Craig
School Of Pharmacy University Of The Pacific
-
Runion Howell
School Of Pharmacy University Of The Pacific
-
Runion Howell
姫路工業大学工学部応用化学科 〒671-2201 姫路市書写2167
-
HILL Craig
姫路工業大学工学部応用化学科 〒671-2201 姫路市書写2167
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