処理同種腱を用いた膝前十字靱帯再建に関する実験的研究

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概要

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冷凍保存同種骨付き膝蓋腱による膝前十字靭帯再建術をイヌを用いて行い,初期からの強固な同種腱の固定が再建靭帯の再構築過程に影響を与えることができるか否か形態的,組織学的,力学的に検討した。微細血行および光顕的観察において,再建靱帯は術後48週でほぼ正常前十字靱帯に近似した像を呈した。しかし電顕的観察において術後48週の再建靱帯は,正常前十字靱帯の直径と比べ一様に細い膠原線維から構成されており,線椎密度も疎であった。また力学試験において,術後48週で再建靱帯の最大引っ張り力は,健側の膝前十字靱帯の約30%に過ぎなかった。以上,冷凍保存同種骨付き膝蓋腱を用いた膝前十字靱帯再建は,再建時移植腱を初期より強固に固定できることにおいては有利であったが,靱帯実質の再構築を促し,力学的強度をあげるほどの影響を与えることは困難であった。
1993-08-31

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