信州大学農学部野辺山ステーションの植物相
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
八ヶ岳東麓の高原に位置する信州大学農学部野辺山ステーションでは,近年,カラマツ林や草原植生の管理について転換が求められている。野辺山ステーションにおける植物目録作成を目的として,2011年に全域を踏査して植物相および群落調査を行なった。併せて,1992―93年にまとめられた植物目録との総括と比較を行なった。その結果,全体で80科419種の維管束植物が確認された。1992―93年と2011年とで,消失種73種,新規確認種75種が認められた。消失種には草原性の種が多く,新規確認種には種子散布力の大きい低木類や帰化植物が多かった。長野県で初記録となる種(オオツメクサ)も確認された。消失種と新規確認種とで,分布の由来についての区分の内訳が有意に異なった。しかしながら,本調査での範囲と季節は限られていて充分ではないので,確実な植物目録作成と植生の変化の把握のためには,詳細な群落調査が望まれる。
著者
関連論文
- 里地里山における未利用資源の活用と循環を考える実演会報告 : 林地残材・切捨間伐材のチップ化による有効活用の可能性
- ヒノキ幼齢林における獣害の現況把握と補植苗数決定の試み
- 長野県中南部に自生するサルナシ (Actinidia arguta (Sieb.et Zucc.) Planch. Ex Miq.) の果実形態と収量の系統間差異
- 切土のり面における陸生スゲ類5種の生育と永続性
- 標高によるヤマブドウ(Vitis coignetiae Pulliat)の果房の形態的変異
- 信州大学演習林における炭素蓄積量および炭素吸収量の試算
- 鳥類相からみた野辺山ステーションの自然環境
- 小学生を対象とした緑化型環境教育の展開 : 浜中町におけるビオトープ造成(第39回大会)
- マタタビ(Actinidia polygama (Sieb. et Zucc.) Planch. ex Maxim.) の自生地の立地環境と虫えい果サイズの地域間差
- 切土のり面に植栽されたスゲ属植物5種の生長特性
- 水辺環境の保全を目的とした構内ビオトープの造成
- A9 絶滅危惧の水生植物ヒシモドキの種子形態の地域性について(口頭発表,講演要旨,野生生物保護学会2004年大会大会報告)
- 林道周辺における植生と鳥類相との関係(「緑化工施工後一定期間経過後の事例とモニタリング手法」(IV))
- (予報)採草地からの牧草飛散 : これって移入種問題?(第36回大会)
- 伊那周辺における鳥類相とその多様性に及ぼす林道の影響
- 覆道上堆積物の緑化資材としての利活用(第35回大会)
- 湿生植物の生育に配慮した水域緑化に関する基礎的研究 : 1.生花苗沼湿原に自生する4植物種の生育環境
- 日本国内における北限の絶滅危惧植物ヒシモドキ(Trapella sinensis Oliver)(第39回大会)
- 北海道十勝川水系に自生する絶滅危惧種ヒシモドキ(Trapella sinensis Oliver)の保全対策に向けて(「積雪寒冷地における緑化工技術の現状と課題」(II))
- 御蔵島の台風崩壊地の植生回復における外来牧草播種の影響
- 未利用森林資源の地域循環型有効利用:演習林と農場の連携による取り組み
- そば切りのつなぎとしてのオヤマボクチ (Synurus pungens (Fr. et Sav.) Kitam.) の葉の繊維収量
- ヤブマメ(Amphicarpaea bracteata (L.) Fernald ssp. edgeworthii (Benth.) Ohashi)(緑化植物ど・こ・ま・で・き・わ・め・る)
- 棚田における栽植密度と除草管理法の違いが水稲収量に及ぼす影響
- 信州大学農学部西駒演習林における最近の山小屋利用状況について
- 信州大学農学部野辺山ステーションの植物相
- 獣害対策としての緩衝帯整備技術の開発 : ミニショベル搭載油圧草刈機を用いた刈り払い作業試験
- 長野県におけるマツブサ(Schisandra repanda (Sieb. et Zucc.) Radlk.)の結実と自生地の立地環境との関係
- 姨捨大池における湿生植物群落とため池管理との関連性
- 絶滅危惧種コギシギシ (Rumex nipponicus Franch. et Savat.) の痩果形態ならびに発芽特性