ヒノキ幼齢林における獣害の現況把握と補植苗数決定の試み
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概要
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ヒノキ稚樹の獣害対策のため,被害状況の把握と補植苗本数の決定を試みた。調査は悉皆調査とし,信州大学農学部附属手良沢山演習林でニホンジカによる甚大な被害を受けているヒノキ幼齢林を対象とした。調査は2006年夏季~秋季に行い,すべてのヒノキ稚樹の位置,樹高,地際直径,食害程度を記録した。現存していた稚樹は2,801本であり,そのうち被害を受けていたものは2,296本であった。被害の重篤度~判断し,これに欠株数を加えると,補植必要苗数は約1,900本と算定された。被害は樹皮よりも葉に集中しており,葉の被害が少ない場合にも稚樹全体にわたっていた。被害をヒノキ稚樹の位置から検討すると斜面の下側ほど重篤であり,シカの侵入経路は谷側と推測された。ヒノキ稚樹のサイズから検討すると,極小ないし極大の稚樹は被害が軽微であり,本調査地においては樹高100cm以上の極大苗の補植が望ましいことが判明した。
- 2008-03-27
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