就労する母親の「ママ友」関係の形成と展開 : 専業主婦との比較による友人ネットワークの分析
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概要
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本研究は,専業主婦の母親との比較から就労している母親の友人ネットワークの特徴を明らかにした。その結果,1.就労する母親が「ママ友」と出会う場所や数は専業主婦と同様である。2.保育所よりも幼稚園の方が「ママ友」ネットワークを形成しやすい。3.職場の友人ネットワークは,専業主婦の母親は退職後に途切れやすいが,就労している母親は継続する。4.就労している母親は,専業主婦ほど「ママ友」を求めないが,代わりに「子育て」と「就労」の両立にかかわる情報提供や共感できる相手を求めている。5.専業主婦の友人ネットワークは,妊娠・出産を機に「希薄期」「移行期」「拡大期」をたどるが,就労している母親は,「ママ友」ネットワークが復職や再就職によって中断しやすく,復職や再就職後に「再移行期」「再拡大期」を迎える。子育て支援では,これらの母親の就労状況によるネットワーク形成の違いに応じた支援が必要になる。This study compared the characteristics of the friendship networks of mothers who do and do not work outsidethe home. The following five major results emerged from our data: 1.The mam -tomos of both groups of motherswere similar in number and location. 2.Mama -tomos were more easily established by mothers of kindergartenersthan by mothers of nursery school students. 3. Mothers who do not currently work outside the home were lesslikely to maintain contact with the friendship networks associated with their previous places of employment,whereas mothers who continued to work outside the home tended to continue to participate in such networks. 4.Mothers who worked outside the home did not seek to include stay-at-home mothers in their mama -tomos, butrather sought individuals who could provide education and sympathy about their simultaneous engagement inchild care and work outside the home. 5.The friendships network of stay-at-home mothers followed pattern of“the low-destiny"after pregnancy,“shift,"and“expansion.". Mothers who had worked outside of the home priorto giving birth were able to easily withdraw from a mama -tomo network upon reemployment, welcome the“reexpansionperiod"after reinstatement and reemployment, and enter the“re-shift period". It is important to recognizethe different friendship needs of mothers who do and do not work outside of the home while they are caringfor young children.
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