「気になる子ども」に対する保育者の専門性 : 幼小連携における課題に着目して
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概要
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Iでは,「気になる子ども」についての先行研究を素描した。その結果,知識と実践を結びつけた子ども理解,他者との協働,積極的に学ぶ姿勢といった,保育者に必要とされる専門性を浮き彫りにすることができた。保育者のこうした専門性が生かされる取り組みの一つが,「気になる子ども」の就学に際した幼小連携であることに鑑み,では,ある公立小学校の教諭を対象とした,幼小連携に関するアンケート調査の結果を報告した。調査結果からは,多くの教諭が,「気になる子ども」への教育や関わりにさまざまな困難さを抱えていることや,幼小連携があまりうまくいっていないと感じており,新1年生の受け入れに際しては,できるだけ具体的で詳細な情報を知りたいと願っていることが,明らかとなった。幼児教育と小学校教育それぞれの特色や専門性を活かした幼小連携のありようを探ることが,筆者の今後の課題である。
著者
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