共同研究 2 SARSウィルスの診断,予防,治療の研究
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概要
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SARS流行の迅速な封じ込めには正確高感度は診断試薬の実用化が必須である。このSARSウィルスの迅速診断には感染初期にはSARSウィルス特異的遺伝子増幅検出方法が有用であるが,ウィルスが体内から消失したのちも診断が可能であるウィルス特異的抗体検出系(血清診断方法)の実用化も極めて重要な研究開発項目である。血清診断に関しては2003年にSARSウィルスが初めて分離されてから,世界中の研究機関では実験室で培養したウィルスまたはウィルス感染細胞から作製したウィルス蛋白質を用いる方法で実施されてきた。しかし,感染性のSARSウィルスを不活化して利用するこれらの方法ではP3実験室などの特殊な研究室が必要であり,かつ作業にあたる研究者には常にSARSウィルスの実験室感染の危険がともなう。さらに近年,SARSウィルス蛋白質にはSARSウィルス以外のヒトコロナウィルスと共通のアミノ酸配列を持つことが明らかになり,SARSウィルス抗原をそのまま用いた検査ではSARS感染者のみならず既知のヒトコロナウィルス感染者でも陽性と判定される可能性が示唆された。そこで本研究では遺伝子工学的手法による血清診断用の抗原を開発し開発途上国の研究室でも利用可能な安価かつ安全なSARS迅速血清診断系を作製することを目的とした。
- 長崎大学の論文
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