<国立科博専報>東北脊梁山地南部の高山帯のササラダニ相

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東北脊梁山地南部の朝日岳・飯豊山・蔵王山・一切経山・西吾妻山の高山帯の計51地点で土壌資料を採取し, ササラダニ相の調査を行ない, 中部山岳の高山帯(白山・木曽駒ケ岳・仙丈ケ岳)のそれと比較し, 共通の特徴や相違点を調べた。両地域の高山帯のササラダニ相の共通点としては, 種数が少ないこと, コバネダニ科の種数が多いこと, ナミツブダニとクワガタダニの2種がきわめてふつうに生息すること, 高山帯にほぼ特有な種としてオナガオニダニ, アトヅツオニダニ, ミヤマツノバネダニ, ラウスコバネダニなどがあること, ツブダニ科の種が極めて少ないこと, ヒメヘソイレコダニが極めて少ないこと, MGP 分析 I の結果は O 型が多いが, あまりはっきりした傾向がないこと, などがわかった。東北脊梁山地の五つの山岳の中では, 比較的新しい火山である蔵王山と一切経山が他の3山にくらべて種数が少なく, コバネダニ科の種が多いという高山帯の特徴もなく, MGP 分析 I の結果も他の山とちがって G 型を示した。古い火山である西吾妻山では, 森林限界も他山の場合にくらべて高い位置にあり, その高山帯のササラダニ相も特に豊富で, 非火山の高山帯との共通性も高いものであった。
国立科学博物館の論文
1983-12-01

<国立科博専報>東北脊梁山地南部の高山帯のササラダニ相

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