バルプロ酸徐放化製剤(KW6066N)の血清薬物濃度動態
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概要
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10名の男子健康ボランティアを対象に, 本邦で開発されたvalproic acid(VPA)の徐放化製剤であるKW6066Nと従来のVPAを投与し, 両剤の薬物動態, 特に遊離型血清濃度動態を検討した。1)KW6066Nの吸収には約2時間のTime Lagがみられた。吸収曲線は緩徐であり, 最高濃度到達時間は約10時間後であった。2)剤型の相違に関わりなく, 遊離型濃度が占める比率は, 総濃度の上昇とともに増加した。総濃度と%遊離型濃度〔遊離型濃度/総濃度(%)〕は正比例した。3)薬物動態学的指標では, 吸収遅延時間, 最高血清濃度到達時間, 最高血清濃度の有意差を認めた。吸収速度定数でも, 10%水準の差がみられた。一方, 消失速度定数, 分布容量, 生物学的半減期, 時間曲線下面積には差はなかった。4)KW6066Nの薬理学的特性は, 生物学的利用速度の遅延にあると考えられた。
- 日本てんかん学会の論文
- 1989-10-31
著者
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