強迫症状を示した側頭葉てんかんの臨床脳波学的研究
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概要
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強迫症状は情動障害を基盤としており, 左側半球優位作用仮説も報告され, 視覚系の症状によって影響されるといわれている。私たちは強迫症状を示した側頭葉てんかん11例, 対照群として強迫症状を示さない側頭葉てんかん112名を選択し, 強迫症状, 恐怖症, 棘・鋭波の側方性, 側頭葉の形態の変化, 光駆動反応, 視覚症状, 情動障害の有無を検討した。恐怖症は強迫症群4/11,対照群0/112,棘・鋭波の右側優位の側方性は強迫症群9/11,対照群50/112,光駆動反応は強迫症群6〜7/11,対照群2/20,視覚症状は強迫症群5/11,対照群18/112,情動障害は強迫症群7/11,対照群13/112で統計的に有意差が認められた。MRIにおける側頭葉の萎縮は強迫症群4〜5/8,対照群7〜9/18と有意差は認められなかった。したがって, 側頭葉てんかんの強迫症状は側頭葉てんかんの8.9%に出現し, 右側棘(波), 情動障害, 視覚症状, 光駆動反応との関連性が認められた。
- 日本てんかん学会の論文
- 1994-06-30
著者
-
小穴 康功
聖パウロ病院精神神経科
-
小穴 康功
東京医科大学霞ケ浦病院神経精神科
-
加瀬 裕之
東京医科大学精神医学教室
-
綿引 秀夫
東京医科大学霞ケ浦病院精神神経科
-
八巻 蔵人
東京医科大学病院神経精神医学教室
-
田上 和
東京医科大学精神医学
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