連続型および不連続型を示した複雑部分発作重積症の1症例
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概要
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複雑部分発作重積症(CPSE)は単一の発作が繰り返し観察される不連続型(discontinuous type)と持続性のもうろう状態や精神病的挿間症のepisodeとして表出される連続型(continuous type)に2分される。今回私達は複雑部分発作例の経過観察中に, 臨床発作は連続型, 時には不連続型の重積状態を呈した1症例を経験したので報告する。症例は32歳女性で, 15歳時に全般性強直間代発作(GTCS)で初発し, その後年1回の頻度でGTCSがあり, 5年間の無発作状態が続いた。24歳頃より複雑部分発作, つまり, 大視症, 変形視, 大聴症, 言語性幻聴, 不安恐怖等の精神発作に続く意識減損発作が月に1〜2回の頻度で出現し始めた。今回は, 診察中に, 突然言語性幻聴に続き身ぶり性自動症が約1時間持続する重積状態を呈した。この間脳波は, 左側優位のθ, δ波が全般性に非連続的に出現した。また, 時には強直性凝視が不連続的に観察された。発作間歓期には右側頭-前頭部鋭・徐波が頻発した。CT検査では右側頭葉前部一前頭葉の部の局在性萎縮が認められた。
- 日本てんかん学会の論文
- 1991-04-30
著者
-
小穴 康功
聖パウロ病院精神神経科
-
小穴 康功
東京医科大学霞ケ浦病院神経精神科
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平林 直次
東京医科大学精神医学教室科
-
三浦 四郎衛
東京医科大学精神神経科
-
直井 孝二
東京医科大学精神神経科
-
平沼 健
東京医科大学病院精神神経科
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