C1q 腎症症例の臨床病理学的検討
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概要
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今回我々は,初回腎生検症例277 例のなかで,C1q 腎症の診断基準を満たした7 例(2.5%)について臨床病理学的検討を行った。7 例中5 例が無症候性尿異常にて発症し,発症時年齢は5~13 歳(平均8.7 歳)であった。病理組織所見では全例がメサンギウム増殖型であり,電顕上5 例にメサンギウム領域とともに係蹄壁にもdeposit を認めた。ステロイド剤を含む治療が3 例に行われ,4~17年(平均8.0 年)の観察期間の後,1 例が軽度血尿を呈し,その他経過観察し得た5 例全例で尿所見は正常化していた。本邦小児におけるC1q 腎症症例は学校検尿などで無症候性尿異常にて発見される症例が多く,予後は良好であることが示された。
- The Japanese Society for Pediatric Nephrologyの論文
The Japanese Society for Pediatric Nephrology | 論文
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