非持続性心室頻拍をきたした薬剤抵抗性冠攣縮性狭心症の1例
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概要
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症例は,50歳代,男性.意識消失を主訴に来院した.数年前より安静時に胸部圧迫感を自覚していたが,2012年5月に意識消失発作が出現し,近医に緊急入院した.非持続性心室頻拍,無症候性ST上昇を認めたため,精査,加療目的で当院入院となった.コントロールの冠動脈造影で冠攣縮を認め,電気生理学的検査で心室性不整脈が誘発されず,冠攣縮性狭心症の診断のもとにカルシウム拮抗薬,亜硝酸薬が投与されて退院した.退院後,服薬を自己中断して,再度,胸部不快感,意識消失をきたした.冠拡張薬の服用下で,早朝に冠動脈造影を施行したところ,左回旋枝に冠攣縮を認め,電気生理学的検査で心室性不整脈が誘発されず,薬剤抵抗性冠攣縮狭心症と診断した.薬物治療を強化し冠攣縮は消失したが,致死的心室性不整脈に対する治療として植込み型除細動器(implantable cardioverter defibrillator;ICD)を植え込んだ.本症例のような致死的不整脈を合併する治療抵抗性冠攣縮では,薬効評価,ICD植え込みが,有用と考えられた.
- Japan Heart Foundationの論文
著者
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森田 英晃
大阪医科大学第三内科
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星賀 正明
大阪医科大学 第一内科
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石坂 信和
大阪医科大学 内科学iii
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垣田 謙
大阪医科大学学部
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鈴木 秀治
大阪医科大学循環器内科
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星賀 正明
大阪医科大学循環器内科
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宮村 昌利
大阪医科大学循環器内科
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和泉 賢一
大阪医科大学循環器内科
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西田 祐介
大阪医科大学循環器内科
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