皮膚有棘細胞癌におけるp53発現と増殖能との相関免疫組織化学的研究
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概要
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皮膚有棘細胞癌27例における癌抑制遺伝子p53蛋白の過剰発現と,細胞増殖マーカーであるProliferating Cell Nuclear Antigen(PCNA)陽性細胞数の割合との相関を免疫組織化学的に検索した.さらにこれらの所見と癌組織の分化度との関連について検討を行った.27例中10例(37%)でp53蛋白の過剰発現細胞が観察され,平均して腫瘍細胞の47%がp53蛋白陽性となった.P53陰性例と陽性例の間では,PCNA陽性細胞数の割合に有意差はなく,p53蛋白過剰発現とPCNAで表現される細胞増殖能との間に関連は無いと考えられた.しかし,GradeⅠおよびGradeⅡにおいては腫瘍の分化度とp53蛋白発現との間に相関を認め,さらに腫瘍の先進部位にp53蛋白陽性細胞の集簇を認め,p53蛋白の過剰発現と組織学的,ひいては腫瘍の進展との何らかの関連性が示唆された.
- 公益社団法人 日本皮膚科学会の論文
著者
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松田 真弓
岩手医科大学 皮膚科学教室
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今村 優子
岩手医科大学皮膚科学教室
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中村 浩昭
岩手医科大学 皮膚科学教室
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松田 壮正
岩手医科大学 産婦人科
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黒瀬 顕
岩手医科大学医学部病理学講座先進機能病理学分野
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松田 真弓
岩手医科大学皮膚科学教室
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中村 浩昭
岩手医科大学皮膚科学教室
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