面間隔を広げた有機ベントナイトを添加したフェノール樹脂ナノコンポジットの構造と物性
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概要
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Na型モンモリロナイトとジメチルステアリルベンジルアンモニウム (DMSB) から面間隔が異なる3種類の有機ベントナイト (MMT) を調製した。まずモンモリロナイトのNa<SUP>+</SUP>イオンとDMSBのアンモニウムイオンを当量で反応させて, 面間隔が19.2ÅのDMSB31-MMTを調製した。また, DMSB31-MMTをメタノールで膨潤させることにより, 面間隔が36.0ÅのDMSB31-MMTMeOHを調製した。さらに, モンモリロナイトのNa<SUP>+</SUP>イオンの当量に対して過剰量のDMSBを反応させて, 面間隔が38.4ÅのDMSB52-MMTを調製した。次に, これらのMMTをノボラックと溶融混練し, 続けて, ヘキサメチレンテトラミンを加えて溶融混練した後, 成形してフェノール樹脂/MMTナノコンポジットを作製した。その結果, いずれのMMTを添加したコンポジットもMMTの層間にフェノール樹脂が挿入され, 面間隔が38-45Åまで広がり, 特に, DMSB31-MMT-MeOHおよびDMSB52-MMTを添加したコンポジットは, フェノール樹脂中にMMTが均一に分散した。コンポジットの物性を検討した結果, フェノール樹脂/DMSB31-MMTコンポジットの曲げ強度および引張強度は他のコンポジットよりも劣っていた。この原因として, マトリックス中に一部のMMTが数ミクロン程度の大きさに凝集したためと考えられた。また, フェノール樹脂/DMSB52-MMTコンポジットの曲げ強度および引張強度が最も優れていた。この原因として, MMTの層間に過剰に存在するDMSBの長鎖炭化水素基により負荷時の応力が緩和されたためと考えられた。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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