フェノール樹脂/有機ベントナイト複合材料の構造と物性

概要

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4級アンモニウム塩で変性した有機ベントナイト (MMT) を汎用ノボラックに添加し, 二本ロールを用いた溶融混練法によりフェノール樹脂コンポジットを作製し, 混練条件の違い, 4級アンモニウム塩の長鎖炭化水素基の鎖長や官能基の違い, およびMMTの添加量がコンポジットの構造や諸物性に及ぼす影響を検討した。その結果, ロール温度を100-110℃に設定し, ノボラックの溶融粘度を10～100Pa・sに制御することにより, ノボラック中へのMMTの分散が向上することがわかった。また, オレイルビス (2-ヒドロキシエチル) メチルアンモニウムで変性した有機ベントナイト (C18CH20H-MMT) をノボラックに対して3～5重量部添加したコンポジットの諸物性が最も優れていた。この原因として, C18CH20H-MMTを添加したコンポジットはMMTがフェノール樹脂中にミクロンオーダーで均一に分散し, さらにナノメーターオーダーでもMMTの層問にフェノール樹脂が挿入することによりMMTの底面間隔がC18CH20H-MMT単独の約2.5倍に広がり, フェノール樹脂とMMTの界面接着面積が増加したことや, C18CH20H-MMT中の水酸基とフェノール樹脂中のフェノール性水酸基との水素結合力が考えられた。
Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文