トリアジン骨格を有するフェノール樹脂による積層板の難燃性向上
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概要
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難燃剤が人体や環境に与える影響をできるだけ少なくするため, 非ハロゲン, 非リン系難燃剤の開発が望まれている。そこで, 本研究ではトリアジン骨格を有するフェノール樹脂中間体を合成し, これを用いて紙基材フェノール樹脂積層板の難燃性向上を図った。まず, 4-フェニルフェノールとホルムアルデヒドから2, 6-ジメチロール-4-フェニルフェノール (DMPP) を合成し, これとベンゾグアナミン (BG) からベンゾグアナミン変性フェノール樹脂 (DMPP-BG) を得た。このDMPP-BGをアンモニアレゾールに配合した変性レゾールのゲル化時間および硬化開始温度は, DMPP-BGの添加量が増加してもほぼ一定値を維持した。また, 紙基材フェノール樹脂積層板の物性を検討した結果, DMPP-BG含量が10phr以上の系ではUL94垂直法に準拠した難燃性試験でV-0を示した。また, DMPP-BG変性紙基材フェノール樹脂積層板の平均燃焼速度は未変性品の約1/10と遅く, レゾール中のDMPP-BG含量が増加するに従って酸素指数は若干増加した。さらに, DMPP-BG変性紙基材フェノール樹脂積層板の電気絶縁性および耐水性は未変性品よりも優れていた。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
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