湿気硬化型エポキシ樹脂の保存安定性とキャラクタリゼーション
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概要
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一級アミノ基がケトンで保護されたケチミンは, エポキシ樹脂の室温一液化に有効な湿気潜在性硬化剤である。保護基のケトンを替えた際の立体障害効果に着目し, エポキシ樹脂組成物の保存安定性と硬化性の関係について検討した結果, メチルイソプロピルケトン (MIPK) 等ある特定の構造をしたケトンを用いた時にのみ, 保存安定性と硬化性の両者に優れる特性を示した。分子軌道計算ソフトでケチミンの立体障害効果について解析した結果, 実験値と良い相関が得られた。<BR>一方, 硬化に際しては, 加水分解により生成するケトンが硬化物内部に残存した。せん断接着試験では, ケトン分子量の大きい系ほど高い値を示した。これは接着界面への応力集中が, ケトンの可塑化効果により緩和されたことと, ケトンの体積分率が高い程, 接着層の反応率が高くなることの両者に起因するものと考えられた。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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武山 秀一
横浜ゴム (株)
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越智 光一
関西大学 化学生命工学部 化学・物質工学科
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紀 朝也
関西大学 工学部応用化学科高分子応用材料研究室
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奥平 浩之
関西大学 工学部応用化学科高分子応用材料研究室
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越智 光一
関西大学 工学部応用化学科高分子応用材料研究室
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