熱分解性ポリヘミアセタールエステル樹脂のネットワークポリマーへの応用
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概要
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ジカルボン酸とジビニルエーテルの重付加反応により, 主鎖中に熱分解性のヘミアセタールエステル構造を有するポリヘミアセタールエステル樹脂を合成し, その熱解離挙動, 熱潜在性硬化剤としての特性について調べた。さらに, 得られた樹脂とエポキシ樹脂配合物の熱硬化挙動, 硬化膜物性, 貯蔵安定性についても検討を行った<SUP>1)</SUP>。<BR>その結果, ポリヘミアセタールエステル樹脂は, 使用するジカルボン酸とジビニルエーテルを選択することにより液状から固体まで幅広い性状の制御が可能であり, 一般の有機溶剤に対する溶解性, 各種樹脂に対する相溶性に優れている事が確認できた。また, 同樹脂は, 市販のエポキシ樹脂に対し優れた相溶性を示し, これらの配合物は, 高温, 厚膜, 密封系の厳しい硬化条件下においても発泡やアウトガスの発生がなく, 均一な硬化膜を形成した。さらに, 同配合物は, 良好な貯蔵安定性を示し, 完全相溶一液型の組成物としての利用が可能であった。
- Japan Thermosetting Plastics Industry Associationの論文
著者
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遠藤 剛
山形大学工学部機能高分子工学科
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石戸谷 昌洋
日本油脂(株) 塗料研究所
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遠藤 剛
山形大学工学部
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石戸谷 昌洋
日本油脂(株)電材事業開発部第2開発営業部
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斎藤 俊
日本油脂(株)電材事業開発部電材研究開発室
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