破裂前脈絡叢動脈遠位部動脈瘤に対しNBCA塞栓術を行った2例
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概要
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【はじめに】脳内出血で発症した前脈絡叢動脈(anterior choroidal artery;AChA)遠位部動脈瘤に対し,n-butyl cyanoacrylate(NBCA)を用いて塞栓術を行った2例を報告する.【症例1】43歳,女性.意識障害,右片麻庫,失語にて発症し左基底核の脳内出血を認めた.内頚動脈(internal carotid artery;ICA)の後交通動脈(posterior communicating artery;Pcom)とAChA分岐部の間に高度狭窄を認め,外側後脈絡叢動脈からAChA遠位部に発達した側副血行路に動脈瘤を認めた.ICAからPcomを経由し外側後脈絡叢動脈にマイクロカテーテルを進め,55% NBCAで塞栓した.瘤の造影は消失し術後MRIで脳梗塞の出現はなかった.【症例2】6歳,女児.軽度意識障害,失語,右片麻痺で発症し,左側頭葉内側に脳内出血を認めた.AChA末梢の脈絡叢部に小さな脳動静脈奇形が存在し,nidus直前に動脈瘤を認め出血源と考えられた.マイクロカテーテルをAChAより外側後脈絡叢動脈との吻合部を超え誘導し,25% NBCAで塞栓した.瘤およびnidusは描出されなくなりAChA本幹の血流は保たれた.術後MRIで視床枕に小梗塞を認めたが神経症状の悪化はなかった.【考察】AChA遠位部動脈瘤は稀であるが,もやもや病や脳動静脈奇形,後大脳動脈閉塞などに合併した症例が報告されておりhemodynamic stressの関与が指摘されている.AChAの塞栓術に関しては,マイクロカテーテルがplexal pointを超えれば重篤な合併症がなく塞栓可能とされているが,NBCAの逆流の問題や脈絡叢部から視床への栄養枝の存在もあり注意を要する.
- 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会の論文
著者
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内藤 功
老年病研究所附属病院
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宮本 直子
老年病研究所附属病院 脳神経外科
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清水 立矢
群馬大学 脳神経外科
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内藤 功
老年病研究所附属病院 脳神経外科
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佐藤 晃之
群馬大学 脳神経外科
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相島 薫
群馬大学 脳神経外科
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中田 聡
群馬大学 脳神経外科
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好本 裕平
群馬大学 脳神経外科
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内藤 功
老年病研究所脳神経外科
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