アルミナナノファイバーゾルを用いた多孔質分離膜の開発
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概要
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水–アルコール分離を目的に,ベーマイトナノファイバーゾルおよびシランカップリング剤(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPTMS))との混合ゾル溶液を調製し,アルミナ多孔質管上にディップコートおよび熱処理することによりベーマイト膜およびベーマイト-GPTMS複合膜を作製した.ベーマイトナノファイバーには,平均短径が4 nmで,平均長径が1200 nm, 1400 nm および2000 nmの3種類を使用した.膜作製条件の最適化を行うことで,浸透気化分離のH2O/IPA分離係数の向上を目指した.その結果,ディップコート時の支持体の引上げ速度が100 cm/min以下で,低濃度のゾルを複数回コーティングすることで,H2O/IPA分離係数が高い膜が得られることが明らかになった.ここで,1200 nmおよび1400 nmのベーマイトナノファイバーはアルミナ多孔質管上ですべてのファイバーが管長方向に均質に配向し,さらにはスリット状の細孔が形成されることが確認された.さらに,ベーマイトナノファイバーとGPTMSを1 wt%添加した複合化ゾルを用いて作製した複合膜では,H2O/IPA分離係数が1628の高い水選択分離膜を得ることができた.
- The Society of Chemical Engineers, Japanの論文
著者
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水上 富士夫
独立行政法人 産業技術総合研究所メンブレン化学研究ラボ
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伊藤 直次
宇都宮大学大学院工学研究科 物質環境化学専攻
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永井 直文
宇都宮大学大学院工学研究科 物質環境化学専攻
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長谷川 泰久
独立行政法人 産業技術総合研究所 コンパクト化学システム研究センター
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水上 富士夫
独立行政法人 産業技術総合研究所 ナノシステム研究部門
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