シクロヘキサン脱水素用多管式メンブレンリアクターのCFD解析と設計
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概要
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水素社会の実現に向け,水素関連の様々な開発が行われている。その中で,シクロヘキサンやメチルシクロヘキサンなど有機ハイドライドが6 wt%を超える比較的大きな水素貯蔵量を有することから,それらを用いた水素の貯蔵・輸送システムが広く注目され研究が行われている。それらの脱水素には,固定層型平衡反応器に比較して高効率かつ高純度の水素回収が可能なパラジウムメンブレンリアクターの適用が有力な候補として挙げられており,実用的にはさらなるスケールアップが求められ,多管式メンブレンリアクターへの展開が期待される。本研究では,CFD(Computational Fluid Dynamics: 数値流体力学)の手法に触媒層や膜分離の熱物質移動を組み込んだ多管式メンブレンリアクターのシミュレーションモデルの開発を行った。それによるシクロヘキサンの脱水素シミュレーションを行い,実験結果と比較したところ両者は良好に一致し,モデルの妥当性が検証された。さらに,この多管式メンブレンリアクターの性能向上が膜管径の拡大によって可能なことをモデル計算から予測した。以上,本モデルは反応器内部で起こっている現象の可視化による理解や設計の最適化に対して有用であることを示した。
- 公益社団法人石油学会の論文
- 2010-09-01
著者
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伊藤 直次
宇都宮大学工学部 応用化学科
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伊藤 直次
物質工学工業技術研究所
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佐藤 剛史
宇都宮大学大学院工学研究科
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味村 健一
宇都宮大学大学院工学研究科物質環境化学専攻
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吉田 直樹
宇都宮大学大学院工学研究科物質環境化学専攻
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伊藤 直次
宇都宮大学大学院工学研究科物質環境化学専攻
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佐藤 剛史
宇都宮大学大学院工学研究科物質環境化学専攻
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佐藤 剛史
宇都宮大学
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伊藤 直次
宇都宮大学大学院工学研究科 物質環境化学専攻
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