P7-05 慢性進行型神経ベーチェット病における脳脊髄液中インターロイキン6が脳幹部委縮に及ぼす影響
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概要
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目的:神経ベーチェット病は急性型と慢性進行型(CPNB)に分類されるが,特に後者は進行性の小脳失調や認知障害を認める難治性病態である.これまでの研究からCPNBでは脳内炎症を反映し脳脊髄液中インターロイキン6(CSF IL-6)の持続的高値が認められ,画像検査では脳幹部の委縮が特徴である.マウス実験ではCSF IL-6が高値であると認知力の低下することや,IL-6が神経細胞のアポトーシスに関与することが示されている.今回我々は,CPNBの脳幹部面積を定量解析し,CSF IL-6の積算量と委縮率に相関があるかを検討した.方法:対象は厚労省のベーチェット病診断基準を満たし,ベーチェット病研究班で示されたCPNB診断基準を満たす10人(男性9人,女性1人).結果:初回MRI施行時の平均年齢29.3±9.1[mean±SD].中脳被蓋とCSF IL-6積算量の相関はr=0.4420,p=0.00507であったが,橋とCSF IL-6積算量の相関はr=0.7527,p=0.0024,両者を含めた脳幹部の委縮率はCSF IL-6積算量の相関はr=0.7478,p=0.0026を認めた.結語:CPNB脳幹部面積の委縮率とCSF IL-6積算量には強い相関関係を認めることから,速やかなCSF IL-6の低下とその維持が,患者の予後を改善させる可能性が示唆された.
著者
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