P2-02 健常人ならびに関節リウマチ（RA）患者における制御性B細胞の比較検討

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【目的】自己免疫疾患におけるB細胞の重要性は，近年の殺B細胞療法の有効性により再認識されたが，時に疾患増悪をきたすことから制御性B細胞（Breg）の存在が明らかになった．Bregの機能発現にはIL-10産生は重要であり，その産生には刺激因子による活性化が必要である．今回，我々はTLR9 ligand（CpG）刺激を介したBreg誘導（CpG誘導Breg）について健常人とRA患者における比較検討を行った．【方法】ヒトB細胞のIL-10産生はリアルタイムPCR，ELISAにて評価を行った．またBregの機能解析には，CpG誘導BregをT細胞と共培養し，CFSE assayによる増殖能，細胞内染色によるサイトカイン産生能の変化を評価した．【結果】CpG刺激により健常人B細胞は強力にIL-10を遺伝子ならびに蛋白レベルにて発現し，その誘導能はIgM memory subsetで最も高い傾向が見られた．CpG誘導BregはT細胞の増殖及びIFNγ産生をIL-10依存性に著明に抑制した．一方，RA患者においては分離直後のB細胞でのIL-10産生は同等であったが，CpG刺激によるBreg誘導能はいずれのsubsetにおいても低下しており，T細胞の機能抑制能も著明に低下していた．現在，RA患者におけるBreg誘導能低下の分子メカニズムついて検討中である．【結論】今回の知見によって，BregのT細胞に対する直接的抑制効果，および自己免疫疾患ではこの機能が低下していることが示され，自己免疫疾患におけるBregを標的とした新たな治療戦略の可能性が示唆される．
日本臨床免疫学会の論文

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