W5-1 IL12Bは高安動脈炎の新規疾患感受性遺伝子でありHLA-B*52 : 01と相互作用を示す
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概要
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【背景】高安動脈炎は若年女性に多い難治性全身性血管炎である.HLA-B*52 : 01は人種を超えて関連するが,非HLA関連領域はこれまで知られていなかった. 【目的】全ゲノム関連解析(GWAS)にて高安動脈炎の疾患感受性遺伝子を同定する. 【方法】167人の高安動脈炎患者検体と663人の健常人検体をイルミナ社インフィニウムエクソームアレイを用いて247,730の一塩基多型(SNP)をタイピングし,関連解析を施行した.上位のSNPにつき212人の患者検体と1,322人の健常人検体を用いて追認解析を施行した.関連領域と高安動脈炎の代表的合併症である大動脈弁閉鎖不全症(AR)との関連を解析した.また,関連領域とHLA-B*52 : 01との相互作用を解析した. 【結果】GWASで5×10−5以下のp値を示した6SNPにつき追認解析を行った.メタ解析の結果,HLA-B*52 : 01(rs9263739)に加えIL12B(rs6871626)とMLX(rs665268)の新規2関連領域が同定された(p=2.8×10−21,1.7×10−13,5.2×10−7).IL12B領域のSNPはARの合併割合およびARの重症度,さらにCRPの時間平均と関連を示した(p=0.0046,0.0018,0.021).さらに,IL12B領域のSNPはHLA-B*52 : 01と高安動脈炎疾患感受性に相互作用を示した(p≦0.00028). 【結論】IL12B領域とMLX領域は高安動脈炎の新規疾患感受性領域である.IL12B領域の多型は高安動脈炎の発症と進展に関連を示し,HLA-B*52 : 01と相互作用を示す.IL12Bは高安動脈炎の病態に主体的役割を果たしている可能性がある.
- 日本臨床免疫学会の論文
著者
-
小室 一成
東京大学医学部第三内科
-
松村 貴由
東京大学医学部付属病院循環器内科
-
木村 彰方
東京医科歯科大学疾患生命科学研究部
-
前川 平
京都大学医学部輸血細胞治療部
-
成瀬 妙子
東京医科歯科大学難治疾患研究所
-
三森 経世
京都大学医学部附属病院免疫膠原病内科
-
小川 誠司
東京大学医学部付属病院 がんゲノミクスプロジェクト
-
田原 康玄
京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター
-
永井 良三
自治医科大学
-
川口 鎮司
東京女子医科大学リウマチ科
-
山中 寿
東京女子医大付属膠原病リウマチ痛風センター内科
-
磯部 光章
新潟大学 第二内科
-
大村 浩一郎
京都大学医学部医学研究科 臨床免疫学講座
-
松田 文彦
京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター
-
吉藤 元
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
寺尾 知可史
京都大学大学院医学研究科附属ゲノム医学センター
-
佐藤 愛子
東京大学医学部附属病院 がんゲノミクスプロジェクト
-
前島 康浩
東京医科歯科大学 医学部附属病院 循環器内科
-
和田 庸子
新潟大学 第二内科
-
成田 一衛
新潟大学 第二内科
-
川口 鎮司
東京女子医科大学 膠原病痛風リウマチセンター
-
大村 浩一郎
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
三森 経世
京都大学医学部医学研究科 内科学講座 臨床免疫学
-
山中 寿
東京女子医大・膠原病リウマチ痛風センター
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