糖代謝障害検出のための指標

概要

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糖代謝障害検出のために,空腹時血糖値(FPG),75g糖負荷試験(GTT),安定型HbA1c,高比重赤血球安定型HbA1c(D-HbA1c),フルクトサミン(FA),糖化アルブミン(GA)を人間ドック受診者493例(男性375,女性118)について比較検討した。糖尿病型と正常型には全ての指標に有意差があり,境界型と正常型とではHbA1c,D-HbA1cに有意差があり,糖尿病型と境界型ではGA,FA,HbA1c,D-HbA1cに有意差があった。D-HbA1cは重回帰分析を利用してFPGとの共通因子をなくすと,FPG,GTT2時間値との相関性は消失するが,もとのD-HbA1cと相関性を保ち,かつ糖尿病型と正常型の間に有意差をもっていることから,D-HbA1cはFPGや2時間値とは異なる因子でも糖代謝障害を捉えていることを示した。境界型の細分類でもD-HbA1cは有意差を示した。カットオフ値を平均値+2SDとして分析すると,GA,FAは境界型と正常型の差がなく,HbA1cとD-HbA1cには差が見られた。D-HbA1cとFPGを組み合わせ感度をあげることが出来た。
公益社団法人日本人間ドック学会の論文