下部消化管穿孔手術例の検討―予後および術後在院日数にかかわる因子について―
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概要
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下部消化管穿孔手術例の予後および術後在院日数にかかわる因子について検討を行った.<BR>2007年4月から2012年3月までの過去5年間に手術を行った下部消化管穿孔55例を対象とした.生存群と死亡群の比較検討を行い,さらに生存群を在院日数<60日(短期在院群)と≧60日(長期在院群)に分けて比較検討を行った.<BR>平均年齢は68歳で,死亡群は9例(16%)であった.生存群46例のうち,長期在院群は11例であった.死亡群で術前白血球数<4,000/mm<SUP>3</SUP>,DIC,輸血,CTでの大量腹水貯留,広範な腹腔内遊離ガスが有意に多く,CTでの大量腹水貯留が独立した予測因子であった.長期在院群では,その多くが術前SIRSの状態で,術後合併症を全例に認めた.創部感染ありが長期在院の独立した予測因子であった.<BR>下部消化管穿孔は早期手術と周術期の集中治療が不可欠であり,救命できた症例においても,創部感染をふまえた十分な合併症対策を行うことで,術後在院日数を短縮できると考える.
著者
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漆原 貴
県立広島病院一般外科
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板本 敏行
県立広島病院一般外科
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漆原 貴
県立広島病院消化器外科
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池田 聡
県立広島病院一般外科
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沖本 将
県立広島病院一般外科
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沖本 将
県立広島病院消化器外科
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溝田 志乃里
県立広島病院一般外科
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真島 宏聡
県立広島病院一般外科
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真島 宏聡
県立広島病院消化器外科
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今岡 祐輝
県立広島病院消化器外科
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高倉 有二
県立広島病院消化器外科
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溝田 志乃里
県立広島病院消化器外科
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