緩和ケア病棟から自宅へ退院可能な患者の予測因子に関する後ろ向き研究
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概要
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【背景・目的】国立がん研究センター東病院 緩和ケア病棟(PCU)では, 在宅支援診療所と連携しPCUの急性期運用に努めている. 今回, PCUから自宅への退院の予測因子を探索した. 【方法】当院PCUに入院した患者を対象とし, 入院診療録を後ろ向きに調査した. 2回目以降の入院またはperformance status (PS) 4の症例は解析から除外した. 転帰を退院群と死亡・転院群に分け, ロジスティック回帰分析を実施した. 【結果】2010年10月から2011年9月の1年間に解析対象患者は223名. 退院63名(28.3%), 死亡・転院160名(71.7%)であった. 多変量解析の結果, 自宅からの入院, PS 2以下, Spo2 97%以上, 入院24時間の摂取カロリー450 kcal以上, 呼吸困難なし, 腹部膨満感なしが独立した因子であった. 【結論】今回の結果を念頭に入院時スクリーニングを行うことで, 退院可能な患者を選択しうると考える. 本研究は後ろ向き研究で限界があるため, 今後, 前向き研究で妥当性を検証する必要がある.
著者
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木下 寛也
国立がん研究センター東病院 緩和医療科
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松本 禎久
国立がん研究センター東病院 緩和医療科
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三浦 智史
国立がん研究センター東病院 緩和医療科
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阿部 恵子
島根大学医学部附属病院 緩和ケアセンター
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松本 禎久
国立がん研究センター東病院 緩和医療科・精神腫瘍科
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關本 翌子
同 看護部
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沖崎 歩
同 薬剤部
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大石 麻里絵
同 栄養管理室
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鈴木 時子
同 患者・家族支援相談室
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元永 伸也
同 薬剤部
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坂本 はと恵
同 患者・家族支援相談室
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