粉砕および再結晶化法を組み合わせた微細ゼオライトの新規製造法
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ミクロンサイズのゼオライト粒子に比べ,ナノゼオライトは外表面積が大きく,細孔内拡散が促進されることによって,イオン交換特性や吸着特性,触媒反応特性などが向上することが知られている。現在,各種特性の向上を目的としたゼオライトナノ粒子合成に関する研究が盛んに行われている。既往のゼオライトナノ粒子合成に関する研究の多くはボトムアップ法,すなわち4級アンモニウム塩や特殊な有機物を用い,核発生・結晶成長を制御することにより達成されている。しかし,コスト的な制約からゼオライト合成時に有機物を使用しない新規ナノゼオライト製造プロセスの確立が望まれている。そこで著者らはボトムアップ法に代わるナノゼオライトの調製法として,ゼオライト表面の非晶質化を最低限に抑えた粉砕が可能であるビーズミルを用いた,トップダウン手法による微細化に注目した。具体的には,ビーズミル粉砕処理したゼオライトにポスト処理(再結晶化処理)を施したところ,結晶性の高いナノゼオライトが調製できることを明らかにした。また,A型ゼオライトに関してはイオン交換特性,ZSM-5型ゼオライトに関しては触媒特性の向上を確認した。本稿で紹介した技術は,粉砕法と後処理を組み合わせることで高結晶性ナノゼオライトを調製することを可能とするものであり,有機テンプレートを使わない,大量生産に適したナノゼオライト作製プロセスとして有望であると考えている。
著者
関連論文
- フロックキャスト成形体の大気雰囲気焼成による透明シリカガラス焼結体の作製
- 放電プラズマ焼結法によるAlN-SiC固溶体の作製と特性評価
- あたらしいくらしとエコセラミックス
- 1453 CNT分散導電性Si_3N_4セラミックスの機械的特性(S07-3 セラミックスおよびセラミックス系複合材料III,21世紀地球環境革命の機械工学:人・マイクロナノ・エネルギー・環境)
- フルフリルアルコール-エチレングリコール系混合物の重合段階における超音波照射が炭素化物の微細構造に及ぼす影響
- 粒子複合化プロセスによるナノ粒子分散型窒化ケイ素セラミックスの開発 (特集 ナノ粒子の分散による材料構造制御とその応用)
- 耐熱材料としての非酸化物セラミックスの動向
- 509 走査型プローブ顕微鏡によるセラミックスのハイブリッドナノフラクトグラフィー(セラミック/セラミック基複合材料2)
- ゼオライトを原料としたCa-αサイアロンの合成
- ゼオライトエレメントの除湿性能および耐熱性評価
- 窒化アルミニウムセラミックスの特性に及ぼす成形条件の影響
- AIN焼結体の不均質構造に及ぼす原料粉末中の粗大粒子の影響
- 高熱伝導性AlNセラミックスの水溶液腐食挙動
- 耐摩耗性窒化ケイ素部材の各種水溶液に対する耐食性
- エンジニアリングセラミックスの研究開発動向
- Mg-α-サイアロン粉末の焼結に及ぼすα-Si_3N_4添加の影響
- チタニア添加窒化ケイ素の微構造観察
- サイアロン国際会議参加報告
- ガス還元窒化反応によるAlN繊維の合成に及ぼす原料特性の影響
- 還元窒化法によるAINの合成に及ぼすCaCO_3-Y_2O_3添加の影響
- Al_2O_3還元窒化法によるAlN粉末合成に及ぼすY_2O_3添加の影響
- Si_3N_4の焼結に及ぼすHfO_2添加の影響
- 第1回「粉体構造制御グループ会」
- セラミックスの成形と焼結における粉体特性の重要性
- 2A1-F05 光造形マルチモールディングの研究 : (第1報)サブミクロンスラリーを用いたシリカ立体構造の作製(MEMSとナノテクノロジー)
- ラマン分光装置 : 日本分光製NRS-2000(機器紹介)
- 107 ダブルパーコレーションによるCNT分散Si_3N_4セラミックスの微構造と特性制御(セラミックス/セラミックス基複合材料(2),ものづくりにおける基礎研究と先端技術の融合)
- 成形プロセス条件がAlN焼結体の微構造および特性におよぼす影響
- 粉砕プロセスを利用したゼオライトナノ粉体の調製 (特集 環境対応セラミックスの最新動向)
- 粉砕および再結晶化プロセスを組み合わせたゼオライトナノ粒子の新規調製法
- 粉砕プロセスを利用したナノゼオライト触媒の新規調製法
- 機械的手法によるカーボンブラックーフェノール樹脂ナノ複合粒子の調製とバルク体の導電率制御
- 粉砕および再結晶化法を組み合わせた微細ゼオライトの新規製造法
- 配向酸化亜鉛セラミックスにおける粒界キャリア散乱
- マスターシンタリングカーブの利用によるセラミックス焼結プロセスの解析と制御