培養ヒト歯肉線維芽細胞のTNF-α誘導アポトーシスに対するアムロジピンの抑制的作用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
薬物性歯肉増殖症はフェニトイン,シクロスポリンA,アムロジピンなどによる副作用として知られている.近年,アムロジピンによる歯肉増殖症が度々報告されている.いくつかの報告で,この疾患の原因は歯肉線維芽細胞におけるアポトーシスの低下と細胞周期制御を受ける増殖の亢進,そして歯肉の炎症が関与していると述べられている.また,フェニトインおよびシクロスポリンAによる歯肉増殖症は腫瘍壊死因子(TNF)-αによって引き起こされると報告されている.一方,アムロジピン歯肉増殖症とTNF-αの関連性についての研究報告は殆どない.そこで,我々は本研究で,TNF-α存在下で,ヒト歯肉線維芽細胞の細胞周期,アポトーシス,生細胞率および総細胞数に対するアムロジピンの影響を検討した.培養ヒト歯肉線維芽細胞は,増殖停止後,TNF-α(100ng/mL)±アムロジピン(1 or 10μM)処理またはアムロジピン(1 or 10μM)単独処理され,その後,細胞周期分布,アポトーシス細胞数,生細胞率および総細胞数が測定された.結果より,アムロジピンはTNF-α誘導アポトーシスを有意に抑制し,その結果生細胞率が上昇し総細胞数が増加することが示された.アムロジピン歯肉増殖症の原因はこれら実験結果と関連があると考えられる.
著者
-
秋元 芳明
日本大学松戸歯学部口腔外科学講座
-
松本 裕子
日本大学松戸歯学部口腔分子薬理学講座
-
藤井 彰
日本大学総合科学研究所
-
竹内 麗理
日本大学松戸歯学部公衆予防歯科学講座
-
竹内 麗理
日本大学松戸歯学部薬理学講座
-
秋元 芳明
日本大学松戸歯学第二口腔外科学教室
-
松本 裕子
日本大学松戸歯学部薬理学講座
関連論文
- 当院における全身麻酔下手術中に使用された抗菌薬の15年間(1992-2006年)の推移
- ニカルジピンによる歯肉肥厚について
- Cephalexin, Cefadroxil, Cefaclor および Cefuroxime-Axetil 経口投与後のヒト血液および歯肉への移行について
- カルシウム拮抗薬による歯肉増殖症における薬物治療の可能性
- カルシウム拮抗薬の歯肉増殖症発生頻度
- ニフェジピン感受性細胞の増殖に対する 18α-Glycyrrhetinic acid の効果
- 小動物を用いた口腔内実験法
- クラリスロマイシン経口投与後のヒト血液および口腔組織への移行
- Levofloxacin 経口投与後のヒト血液および口腔組織への移行
- Cefuroxime axetil 経口投与後のヒト血液および口腔組織への移行
- Cefdinir 経口投与後のヒト血液および口腔組織への移行
- ニフェジピン感受性および非感受性ヒト歯肉培養線維芽細胞のCyclin発現に対するbFGFの影響
- OVXラット下顎骨海綿骨の8MD,BMC低下と薬物治療効果
- ヒト歯髄培養線維芽細胞のALPase活性に対するおから発酵物由来メナキノン-7の影響
- ニフェジピン感受性歯肉線維芽細胞の細胞周期
- Lomefloxacin経口投与後のヒト血液および口腔組織への移行について
- 実験的骨粗鬆症ラット大腿骨強度とBMC、BMDとの相関
- ヒト歯肉由来線維芽細胞の増殖およびDNA合成に及ぼす Tenidap の影響
- P-185 臨床的に悪性腫瘍を疑った顎放線菌症の一例(脳・頭頸部(11),グローバル時代の細胞診,第47回日本臨床細胞学会秋期大会)
- 285 診断に苦慮した乳頭状口腔粘膜病変の細胞学的検討(口腔)
- 81 顎下腺乳頭状嚢腺癌の細胞学的及び組織学的検索
- 舌に発生した脂肪軟骨腫の1例
- 顎下線に発生した乳頭状嚢腺癌の1例
- 上顎洞転移性肝細胞癌の1例
- 上顎に発生した悪性線維性組織球腫の1例
- 上顎癌切除後の機能障害をインプラントオーバーデンチャーで機能回復した一症例
- スポーツによる顎顔面骨骨折
- Fosfluconazole 投与後のヒト血清および唾液中 fluconazole 濃度
- 歯性感染症 (特集 マクロライド系,ケトライド系抗菌薬--急性感染症で選ぶ決め手・使う術) -- (マクロライド系,ケトライド系抗菌薬を選ぶ決め手・使う術)
- 銃剣破折片の長期迷入によるオトガイ部嚢胞状異物肉芽腫の1例
- 経口用ペニシリンの血液・口腔組織濃度
- 鼻歯槽嚢胞のMRIの検討
- 顎下腺病変のMR診断
- 唾液腺貯留嚢胞の臨床的検討
- ニフェジピン感受性ヒト歯肉線維芽細胞におけるMMP-1産生に対する Tenidap の影響
- ヒト歯肉線維芽細胞におけるcAMPレベルとヒスタミンによって誘導された細胞内カルシウム応答の関係
- ニフェジピン感受性および非感受性ヒト歯肉線維芽細胞のセルサイクルに及ぼすインスリン様成長因子-Iの影響
- トンガ王国の障害者施設における歯科医療ボランティア活動
- ニフェジピン歯肉増殖症患者の線維芽細胞に対する18α-グリチルレチン酸のアポトーシス誘導効果
- トンガ王国での障害児・者施設歯科医療ボランティア活動 : 2005-2009年の5年間を振り返って
- トンガ王国の障害児・者に対する唾液湿潤度検査紙の応用
- 角化嚢胞性歯原性腫瘍の症例からみた学校歯科健診の重要性
- Josamycinの血液, 歯肉, 歯槽骨, 歯嚢への移行に関する研究
- 乳臼歯が原因と考えられた顎放線菌症の1例
- 透析患者にみられた上顎骨慢性骨髄炎の1例
- The mechanism of phenytoin-induced gingival overgrowth
- 上顎顎義歯症例における発語明瞭度の評価
- Ampicillinのラット皮膚切開創への移行について
- 二酸化チタン含有中濃度過酸化水素オフィスブリーチ材 (TiON^【○!R】 in Office) の松風ハイライト^【○!R】ならびにピレーネ^【○!R】に対する漂白効果
- 培養ヒト歯肉線維芽細胞のTNF-α誘導アポトーシスに対するアムロジピンの抑制的作用
- 18αおよび18β-グリチルレチン酸はヒト歯肉線維芽細胞のアポトーシス・細胞増殖に対するフェニトインおよびシクロスポリンAの効果を阻害する
- Studies on penetration of ampicillin into human serum, radicular cysts and pus, after oral administration of bacampicillin.
- Effects of josamycin and rokitamycin on staphylococcus aureus in a human blood neutrophil.
- Effect of local anesthetics on tissue penetration of antibiotics.
- Studies on penetration of cephalexin into human blood, gingiva and jaw bone after oral administration.
- On conversion after Lomefloxacin oral administration to human blood and oral tissue.
- Penetration of amoxicillin into the blood and zygomatical abscess after its oral administration.
- Gingival thickening by nicardipine.
- Cephalexin concentration in a dental granuloma.
- Ampicillin level in the human oral tissue after oral administration of lenampicillin.
- Josamycin concentration in dental granuloma.
- ヒト好中球内Staphylococcus aureusにおよぼすofloxacinの影響. (臨床薬理)
- 口腔外科における顎顔面骨折の治療 : 口腔内アプローチについて
- Effect of non-steroid antiphlogistics on pharmacokinetics of sultamicillin.
- Studies on penetration of cefaclor into human blood and tissues of oral cavity after oral administration of cefaclor.
- 抗腫瘍剤 (bleomycin, peplomycin, 5-fluorouracil, cisplatin, carboplatin) 併用投与時のラット
- ブレオマイシン, ペプレオマイシン, シスプラチンの線維芽細胞に及ぼす影響
- Studies on the penetration of ampicillin into human blood and radicular granuloma after oral administration of bacampicillin.
- 歯科口腔疾患と酸化ストレスとの関連性 : カンボジア王国における酸化ストレスの評価
- 培養ヒト歯肉線維芽細胞のTNF-α誘導アポトーシスに対するアムロジピンの抑制的作用