大腸SM癌における低分化胞巣の臨床的意義

概要

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リンパ節転移予測因子として先進部組織型の有用性が報告されているがコンセンサスはない．より簡便な指標として低分化胞巣の意義を検討した．【対象】手術を施行した大腸pSM癌478例．【方法】低分化胞巣は5個以上の比較的大型の腺腔形成の乏しい細胞からなる癌胞巣と定義し20×10倍視野の個数を評価した．【結果】簇出と低分化胞巣のκ係数は0.682と十分高い一致度であった．また，ROC（Receiver Operatorating Charasteristic）曲線を検討した結果，AUC（area under the curve）は簇出0.635，低分化胞巣0.694と低分化胞巣の方が診断能も優っていた．低分化胞巣1視野当り0-2個をlow grade，3個以上をhigh gradeと定義すると，リンパ節転移はlow grade4.6％，high grade19.7％と有意に高かった．また，リンパ管侵襲陰性かつ低分化胞巣low gradeの症例はリンパ節転移3.0％と低リスクで全体の70％を占めていた．【結論】大腸SM癌において低分化胞巣は簇出に優るリンパ節転移のリスク因子でありover surgeryを減少させるのに有用である．