リチウムイオン電池/スーパーキャパシタハイブリッド駆動LRVの走行特性
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概要
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近年、鉄道車両やLRV(Light Rail Vehicle)の走行に二次電池や燃料電池を適用する研究が進められている。リチウムイオン電池は二次電池の中でエネルギー密度と出力密度が最も高いことから、鉄道車両の走行源として最も期待できる。現在の鉄道車両やLRVではVVVFインバータを用いて走行する車両が主流となり、効率良くブレーキ時の回生エネルギーを架線に戻し、近くを走行する車両へエネルギーを供給しているが、走行している車両がいない場合、回生失効が起こることから、リチウムイオン電池等の二次電池へ充電して走行することが考えられている。しかしながら、回生エネルギーをリチウムイオン電池へ高頻度で充電することは、電池寿命を著しく減少させることが考えられる。そこで、本研究ではブレーキ時の回生エネルギーの一部をスーパーキャパシタへ充電することで、リチウムイオン電池への負担を軽減することを目的に、VVVFインバータ型LRVをモデルとしてスーパーキャパシタとリチウムイオン電池によるハイブリッド駆動システムの鉄道車両を試作した。本研究ではマンガン系リチウムイオン電池を使用した。L型シートセルを3直列し、さらに6並列したものを組電池として、これを54直列し、60 kWhの電気容量を得た。これをLRVの中央部に、スーパーキャパシタを前方部にレイアウトしてLRVを完成させ、その走行性能および省エネ効果を検討した。走行実験はリチウムイオン電池の低温での動作検証も行うために、冬季に行われた。LRVは福井鉄道の営業路線20 kmを営業時と同じ条件で夜間、往復走行した。600 V架線から100 %充電した後、660 Vから480 Vまで放電して往復走行した結果、架線走行と同等の走行が可能で、60 km/hまでの加速、および、1回の満充電で約40 km走行できることがわかった。このとき、60 km/hから40 km/hまで減速したときの回生エネルギーを充電しながらリチウムイオン電池で走行させた場合、充電しない場合に比べて、消費エネルギーは22 %減少した。さらに、スーパーキャパシタを併用することで、リチウムイオン電池のみの走行に比べて約10%の燃費向上が確認された。また、リチウムイオン電池の温度上昇も低減できることがわかった。
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