新規好中球機能検査法を応用した植物抽出物の機能性評価
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概要
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今日,活性酸素の身体への影響は重大な関心事となっている.活性酸素の過剰産生は酸化ストレスとなり,生活習慣病や発がんに関与するとされている.一方,抗酸化作用を有する様々な健康食品が普及しているが,より生体に近い条件での機能性評価法が求められている.そこで本研究では,新規好中球機能検査法を用いて植物抽出物の抗酸化作用を比較検討した.植物抽出物には,レモンバーベナ抽出物,緑茶抽出物,ツバキ種子抽出物,アンチアレーゼ®を用いた.濃度調整した各種植物抽出物と血液,ルミノールを混和し,熱可逆ハイドロゲルを用いてルミノール依存性化学発光により好中球の活性酸素産生量を測定した.また,活性酸素産生能の測定後,ハイドロゲル内に浸潤した細胞数を計測し遊走能を評価した.その結果,レモンバーベナ抽出物,緑茶抽出物は 1 mg/ml の添加条件において活性酸素産生量を有意に抑制し,抗酸化作用をもつことが示唆された.従来の好中球機能測定法は,血液から好中球のみを単離する必要があったため測定に時間がかかり,好中球の活性が変化してしまうという問題もあったが,本検査法では採血直後に全血のまま測定を開始することができるため,炎症や酸化ストレスの状態を評価するにとどまらず,抗酸化物質の効果などを事前評価するスクリーニング系として有用と考えられた.
著者
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森 有一
早稲田大学理工学総合研究センター
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吉岡 浩
早稲田大学理工学総合研究センター
-
高橋 将記
早稲田大学スポーツ科学研究科
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高橋 将記
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科
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鈴木 克彦
早稲田大学
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菅間 薫
東京農工大学・早稲田大学共同大学院 共同先進健康科学専攻
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駒場 優太
早稲田大学人間科学部
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泊 美樹
早稲田大学人間科学部
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鈴木 洋子
東京農工大学・早稲田大学共同大学院 共同先進健康科学専攻
-
三浦 茂樹
早稲田大学理工学術院
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