キャピラリー電気泳動法を用いた抗酸化剤の評価
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概要
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動脈硬化症において,LDLは,活性酸素により酸化を受け,酸化LDLとなってその引き金となるため,LDLの酸化抑制は動脈硬化予防において重要と考えられる.そこで試料が微量で,検出感度の高いキャピラリー電気泳動法を用いて,抗酸化食品成分であるフラボノイドのLDLの酸化に対する効果を検討した.LDLの酸化反応を銅イオンを用いて行った結果,LDLのピークはインキュベーション時間と共に移動度が変化した.抗酸化剤として広く用いられているBHTを用いて銅イオンによる酸化実験を行ったところ,LDLの泳動時間延長が抑制され,銅イオンによるLDL酸化がBHTによって抑制されることが示された.さらにフラボノイドによるLDL酸化抑制効果を調べた結果,B環の水酸基の数が重要であった.銅イオンによるLDL酸化は,生体内で想定される活性酸素による酸化と類似しているため生体条件に近い系で行うことができる.さらにキャピラリー電気泳動を用いる本法は,感度や少量の試料で測定可能である点などで優れていると思われる.
著者
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小堀 真珠子
独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構食品総合研究所
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小堀 真珠子
南西糖業
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石川(高野) 祐子
独立行政法人食品総合研究所
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八巻 幸二
独立行政法人国際農林水産業研究センター
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高下 崇
備前化成株式会社研究センター
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