桂枝茯苓丸の筋収縮性頭痛への応用 : 気の面からの頭痛の考察
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概要
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桂枝茯苓丸の頭痛に対する有用性を検討した。対象は神経科で通院治療中の患者の中から, 筋収縮性頭痛を伴った症例を無作為に選択した。証による選別は行わなかった。4週後の頭痛改善率は中等度以上の改善を示した症例が44.4%であるが, 不変も50.0%に及び, 2分極傾向を示した。副作用は認められなかった。これらの症例を, 虚実の心身判定スケールを用いて虚実の判定を行い, 改善度との比較を行った。虚証の症例では有効例がなく, 中間証〜実証の境界領域に有効例が集中する傾向が見られた。無効例に関しては, 〓血・水毒の関与が否定的だった。このため, 治験例を精神症状の重症度分類を行い, 頭痛改善度との関連を検討した。この結果, 両者に負の相関を認めた。頭痛無効例では, 気の異常が大きく影響している事が示唆された。今回の結果より現代社会に於て, 気の異常を主体とした身体疾患が増加しつつある可能性が推定された。
- 社団法人 日本東洋医学会の論文
著者
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尾崎 哲
公立学校共済組合近畿中央病院神経科
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井上 洋一
大阪大学医学部精神医学教室
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下村 泰樹
小金井中央病院 内科
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森田 仁
大阪大学医学部精神医学教室
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窪田 耕輔
NTT大阪中央健康管理所
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下村 泰樹
小金井中央病院内科
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