めまい感のストレス面からの考察 : 清熱薬の応用
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概要
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自律神経症状のめまいの治療薬として緩和精神安定剤等が用いられるが, 副作用のため増量が困難な事がある。このため漢方方剤の可能性を探るべく, 鎮静作用を持つ清熱薬の有用性の検討を行った。この結果,黄連解毒湯, または三黄瀉心湯による4週後のめまいの有効率は80% (75.0%) と高値を示した。効果発現は, 約1週後と速効性であったが, 脱力感等の副作用は認めなかった。有効領域は中間証領域に存在することが考えられた。西洋医学では, 自律神経症状のめまいは, ストレスが関与するとされており, 今回の投与試験での高い有効性は, 清熱薬の交感神経系に対する鎮静作用に拠った可能性が考察された。東洋医学では, めまいは水毒と関連するとされている。このため我々は水毒の治療薬である五苓散を投与したが, 有効率は66.7%と清熱薬に及ばなかった。以上の知見から, 自律神経症状のめまいは〈気の異常〉を一次的なものとし, 二次的に水毒等, 他の病態を併発した可能性が推測された。
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