歯肉線維腫症の電子顕微鏡学的観察

概要

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5歳男子の歯肉線維腫症の歯肉を光顕および電顕的に観察し, 次の様な結果を得た。 光顕所見: 上皮のparakeratinized layerの肥厚と上皮突起の深部への伸展および固有層における結合織線維の増殖が観察された。 電顕所見: (1) 上皮細胞質におけるtonofilameatの増殖傾向が認められた。 (2) Tononlamentに関連して, 比較的多くのkeratohyalingranuleを観察した。 (3) Tonofilamentの増加に伴って細胞内小器官の減少を認めたが, Golgi野の発育に比較的良好であった。 (4) 上皮・固有層間において明瞭なanchoring fibrilが観察できた。 (5) 明るい細胞質にpre-melaninと患われる顆粒良く発達したGolgi野, 大型のmitochodriaを有するmelanocyteと思われる細胞をも観察した。 (6) Basement laminaのfinger-like projectionの尖端より固有層内へ長く延びるヒモ状構造を認めた。 (7) 固有細におけるcollagen fibrilの緻密化を認めた。
社団法人日本口腔外科学会の論文