DextranaseおよびMonofluorophosphateの併用によるラット実験う蝕および歯垢抑制効果に関する研究
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概要
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ヒトの歯垢およびStreptococcus mutans 6715菌に由来する可溶性および不溶性多糖に対する, Chaetomiurn gracile菌由来のDextranaseの分解効果ならびにsodium monofluorophosphate (MFP) の牛エナメル質耐酸性増強効果の確認を行い, 作用機作の異なる両者を併用した場合のラット実験う蝕および歯垢抑制効果について検討を行った。<BR>500単位/mlのDextranaseは, ヒトの歯垢およびS mutans 6715菌に由来する多糖を分解する。特に, 可溶性多糖の分解が著じるしく, 各々75および55%の分解率であった。一方, 250ppm FのMFP処理を行った牛エナメル質では, Vickers硬度 (VHN) の減少率が対照よりも低く, MFPの歯質強化作用が確認された。<BR>ラット実験う蝕において, 2000および6000単位/ml飲料水のDextranase投与群に, 歯垢抑制効果が認められたが, 5ppm FのMFPを飲料水中に投与した群ではその効果が認められなかった。この傾向は, 両者を併用した群にも認められた。う蝕抑制効果について, 両者の単独投与群のいずれにも効果が認められた。更に, 両者の併用群では単独投与群よりも効果が増加する傾向が認められた。<BR>以上の結果より, 作用機作の異なるDextranaseおよびMFPの併用により, う蝕抑制効果が相加的に増加することが示唆された。
- 有限責任中間法人 日本口腔衛生学会の論文
著者
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斉藤 邦男
財団法人ライオン歯科衛生研究所
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網元 愛子
日本歯科大学歯周病学教室
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二上 捷之
(財)ライオン歯科衛生研究所
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二上 捷之
財団法人ライオン歯科衛生研究所
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清重 達夫
ライオン歯磨基礎研究所
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網元 愛子
日本歯科大学附属歯科専門学校
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網元 愛子
日本歯科大学付属歯科専門学校
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