ポリイソプレンとポリブタジエンの加硫ゴムの酸化反応性の相違
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概要
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IRとBRとの酸化に対する反応性の相違を調べるため, それら加硫物から0.5mm厚さのシートを作り, それらシートの自動酸化を80℃, 760mmHgの酸素ふんい気中で行なった.自動酸化中の酸素吸収速度を測定し, 酸化後のゴムの網目濃度変化を調べた.また, 80℃, 空気中での化学応力緩和法をも用いた.その結果次の結論を得た.<BR>i) IR, BRとも, 加硫系 (過酸化物およびイオウ加硫) により, 酸素吸収の挙動は異なる.イオウ加硫では両者の挙動は似ている.<BR>ii) IRの過酸化物加硫では, 分子切断反応がもっぱら起こり試料は粘稠になるまで酸化される.<BR>iii) BRの過酸化物加硫では, 橋かけ反応が優勢に起こる.位相差顕微鏡などより試料表面には網目濃度大な膜が生成することを確かめた.膜はゴム内部への酸素の拡散を妨げるため, 膜生成以後の吸収速度は低下する.i) は橋かけイオウの特異性に基づくものであり, ii), iii) の相違は, IR, BRラジカルの反応性の相違に起因すると考えられる.
- 社団法人 日本ゴム協会の論文
著者
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釼 実夫
大阪府立放射線中央研究所
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合田 清
大阪府立大学工学部•応用化学教室
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村田 二郎
大阪府立大学工学部•応用化学教室
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合田 清
大阪府立大学工学部応用化学教室
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合田 清
大阪府立大学工学部•応用化学教室
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