生および蒸煮栗果の成分
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概要
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(1) 8品種の栗果について,生および蒸煮栗果の一般成分を測定し,更に炭水化物中特に個々の糖をイオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーで分別定量した. (2) 生栗果中の一般成分は水分61〜67%,粗蛋白質2.5〜4.0%,粗脂肪0.4〜0.8%,粗繊維0.8%前後で粗灰分は0.9〜1.2%程度であった.蒸煮したものの成分を生のものと比較すると,粗脂肪は多少減少するようであるが他の成分には差異がなく,蒸煮による一般成分の変化は極くわずかである. (3) 生粟果の可溶性無窒素物は新鮮物中26〜33%であって,その内訳は澱粉が17〜22%で大部分を占める.ついでシュクロース6〜9%,残りはデキストリン0.2〜0.4%,グルース0.2〜0.4%である.蒸煮した栗果は生のものに比べて,澱粉が多少少なくなり,デキストリンおよびグルコースが多少多くなる.この増大はデキストリンで2〜6倍,グルコースで2〜3倍であるが,量的にはわずかである.またシュクロース量には一定の差異が認められない. 結局栗果は蒸煮によって成分の量的変化は少なく,また新しい糖も生成しない. (4) 生および蒸煮栗果ともに糖は大量のシュクロースと微量のグルコースだけであって,フラクトースおよびマルトースは認められない.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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