γ線照射栗果糖分の貯蔵中の変化
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概要
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(1) 栗果に全線量50,000, 100,000, 200,000, 500,000および1,000,000rのγ線を照射し,照射直後の果肉成分につき,その主成分である澱粉,デキストリンを一般分析法によって定量するとともに,その糖をイオン交換樹脂カラムクロマトグラフィーによって分別定量した.さらにこれら照射栗果を貯蔵し,これらの成分の変化を調べ,また発芽抑制作用を観察した. (2) 一般に発芽抑制作用を示すといわれる20,000rの約50倍の1,000,000rを照射しても,それら果肉中の澱粉,デキストリン含量には明らかな変化がみられず,またシュクロースおよびグルコースの個々の糖量にも相違がみられなかった. (3) 4月まで貯蔵したものの発芽状態は無照射のものは根,および芽の伸長が著しかったが,γ線を照射したものは全て発芽抑制作用を示した. (4) 50,000rの照射したものは根の伸長が無射照のものの約半分程であったが,それ以上の高線量では全て十分な発芽抑制がみられた.しかし500,000rおよび1,000,000rの線量では高線量による傷害を受けて,栗果細胞は次第に死滅腐敗する. (5) 貯蔵中における照射しない栗果の成分変化は発芽にともない澱粉が減少し,シュクロースが増加するが,照射栗果の貯蔵中の成分の変化も発芽能力が残っている限りこれと同様であった.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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