卵アルブミンの酵素分解によって得られるペプチドの抗酸化性について
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概要
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蛋白質の酵素分解物から得られたペプチドの構造と抗酸化作用について検討した. (1) 各種蛋白質,酵素を用いて32種の蛋白質の酵素分解物を調製し,抗酸化性の強いものを検索した結果,蛋白質として卵アルブミン,小麦グルテン,大豆蛋白質,酵素としてアマノSを用いたときに強い抗酸化活性が認められた. (2) 最も活性の強かった卵アルブミンの酵素分解物から,各種クロマト操作を行い抗酸化性の強いペプチド3種を単離した. (3) 単離したペプチド3種は, Ala-His-Lys, Val-His-His, Val-His-His-Ala-Asn-Glu-Asnのアミノ酸配列を持ち, N末端から2残基目にHisを持つ構造が共通する分子量354〜819のオリゴペプチドであった. (4) 最も活性の強いAla-His-Lysの抗酸化力は,同濃度の構成アミノ酸やジペプチドより強かった. (5) 単離したペプチドの抗酸化性は金属キレート能によるものと考えられた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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野村 幸弘
ハウス食品
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山本 正典
ハウス食品株式会社
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拓植 信昭
ハウス食品工業株式会社研究所
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永川 由美
ハウス食品工業株式会社研究所
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杉澤 公
ハウス食品工業株式会社研究所
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野村 幸弘
ハウス食品工業株式会社研究所
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山本 正典
ハウス食品工業株式会社研究所
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