コラーゲン膜の膨潤度と透過性
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概要
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牛皮から得られた再生コラーゲン膜の膨潤度と透過性の関係を明らかにするために,2種類の実験を行った.その1つは,界面活性剤,アルキル硫酸エステルナトリウム(C10, C12, C14)の共存下で,塩化カリウムの膜透過速度,膜電位ならびに膜の膨潤度の測定を行った.膜の膨潤度は,膜の電荷密度の上昇とともに上昇した.また,塩化カリウムの透過係数は,一部を除いて,7.0〜8.0×10-6cm2/secの値を示した. 第2の実験では,緩衝溶液を加えて,種々のpHにおいて,塩化カリウムおよびPNPの膜透過速度と膜の膨潤度の測定を行った.このPNPの実験では,さらにC12活性剤あるいは尿素の共存下で測定を行った.膜の膨潤度は,C12活性剤を加えた場合を除いて,コラーゲンの等電点で最小値を示した.一方,塩化カリウムとPNPの透過係数は,溶液に加えられた溶質の種類によって異なる値を示した.C12活性剤を加えた実験では,膨潤度はpHの低下とともに低下した,また,PNPの透過係数は,酢酸緩衝溶液を加えてpH調節を行った領域では,pHとともに低下した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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