修飾ケラチン膜のイオンの透過性
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概要
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化学修飾した鶏の羽毛ケラチン膜のイオンの透過性について,塩化カリウムおよび塩化ナトリウム溶液による膜電位と,これらの塩の透過速度の測定から研究を行なった.化学修飾は,カルボキシル基のメチルエステル化, ε-アミノ基のアセチル化,スクシニル化,脱アミノ化,およびホルムアルデヒド処理である.塩化カリウムによる膜電位から,未修飾,エステル化,アセチル化,スクシニル化,脱アミノ化およびホルムアルデヒド処理膜の等電点は,それぞれpH 4.5, 8.4, 4.3, 4.2, 3.9および4.4である.未修飾膜,アセチル化膜およびホルムアルデヒド処理膜のイオンの透過性の差は,ほとんど認められない.エステル化膜およびスクシニル化膜のイオンの透過性は,未修飾膜のそれよりかなり高い.これに反して,脱アミノ化の場合には,透過性は低下する.一般に,イオンの透過性は,膜の電荷よりも,むしろ膜の膨潤度に依存する.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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