酵母によるフェノール化合物の資化
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概要
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1. Trichosporon culaneum WY 2-2菌の一価フェノール化合物の資化性を検討した結果,本菌は水酸基置換安息香酸,クレゾール,ニトロフェノールともにm-およびp-異性体のみを利用し, o置換体を利用できない.クレゾール類は,フェノールに比較して毒性が強く,その生育限界濃度は0.05%程度である.ニトロフェノール,クロロフェノール類は,さらに毒性が強く, 0.01%が限界濃度であることが示された. 2. Trichosporon属酵母, Candida属酵母を用いて,フェノール,クレゾール類の資化性を検討した結果,用いた菌株すべてがo-クレゾールを利用できず, o-置換体を利用しえない性質がこれら酵母にとってかなり普遍的なものであることを示した.また, Trichosporon cutaneumに属する菌株が高濃度フェノールにもよく生育しうることが示された. 3. p-ヒドロキシ安息香酸,安息香酸の資化性を検討した結果, T. cutaneumに属する菌株がフェノールおよびフェノールカルボン酸のいずれをもよく資化することが示された. 4. T. cutaneum WY 2-2菌の各種フェノール化合物に対する酸化能を検索し,本菌が種々のフェノール類に対して高い酸化能を有すること,およびその生育基質によって代謝系が誘導されることを示唆した.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
著者
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伊藤 昌雄
名古屋大学農学部農芸化学科醗酵化学研究室
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藤川 昇
名古屋大学農学部農芸化学科醗酵化学研究室
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伊藤 昌雄
名古屋大学農学部
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亀山 涼子
名古屋大学農学部農芸化学科
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羽多 野哲
名古屋大学農学部農芸化学科
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伊藤 昌雄
名古屋大学農学部農芸化学科
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