植物ポリイソプレノイドに関する研究(第2報) : 蚕糞および桑葉のポリイソプレノイドケトン
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概要
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(1) 蚕糞不けん化物はチオ尿素との包接化合物を形成するポリイソプレノイド・ケトンmp 46.0〜46.2°Cを約0.4%含む. (2) ポリイソプレノイド・ケトンおよびその誘導体について元素分析,オゾン分解,不飽和度の測定, IR-スペクトル, NMR,マススペクトルなどの測定を行ない,炭素数43のオクタイソプレニルアセトンであることを確認した. (3) ポリイソプレノイド・ケトンより合成した補酵素Q誘導体は全トランスの補酵素Q9と混融しても融点降下を示さず,逆相ペーパークロマトグラフィー, NMR, IR-スペクトル, UV-スペクトルにおいても完全に一致した.これよりポリイソプレノイドケトンはソラネソールと同様,全トランス体であることを認めた. (4) 以上の結果から,蚕糞不けん化物に存在するポリイソプレノイド・ケトンは次式の構造をもつ全トランス-6, 10, 14, 18, 22, 26, 30, 34-オクタメチルペンタトリアコンタオクタエン-5, 9, 13, 17, 21, 25, 29, 33-オン-2であることを確認し,家蚕(Bombyx mori L.)に因んでBombiprenoneと命名した. (5) 家蚕の唯一の食物である桑葉について検討したところ,ポリイソプレノイド・ケトン(bombiprenone)が蚕糞不けん化物の場合と同様,ソラネソールとほぼ等量含まれることを認めた.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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