各種農薬の電子捕獲ガスクロマトグラフィー : 農薬の残留分析に関する研究(第3報)
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概要
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電子捕獲ガスクロマトグラフィーを,農薬の残留分析に応用する際の基礎的知見をうるために, 5%シリコンDC-11カラム(170°), 2% PEGAカラム(180°)による2種の操作条件における各種の農薬の保持時問,ピーク面積感度,検量線の直線範囲などについて検討した. (1) 有機塩素系殺虫剤のカラム充填剤としては,一般的にはシリコンDC-11が適しているが,エンドリンについてはPEGAの方がよかった.ピーク面積感度はカラム充填剤により差異が認められ,シリコンDC-11カラムの方が一般に高かった.検量線の直線範囲は化合物により差があるが,たとえばγ-BHCでは0.02〜1ng, p, p´-DDTでは0.5〜8ngの範囲で定量が可能であった. (2) 有機リン系殺虫剤のカラム充填剤としてはPEGAがよく,各殺虫襯について一様にほぼ左右対称のピークをあたえる.ピーク面積感度は有機塩素系殺虫剤の場合と同様に,カラム充填剤により差異が認められ, PEGAカラムの方が高かった.ピーク颪積感度は,含塩素化合物であるフェンカプトンが最も高く,ついでニトロフェニル基を有するスミチオン,メチルパラチオン,パラチオンが比較的高かった.検量線の直線範囲は,たとえばPEGAカラムにおいて,メチルパラチオン0.4〜20ng,マラソン2〜100ngであった. (3) 有機除草剤は, 2種のカラム充填剤については優劣をつけがたく,ピーク面積感度はシリコンDC-11が高く,相互分離能はPEGAの方が若干よかった. DBN, PCPME, PCNBは,有機塩素系殺虫剤とほぼ同様のレベル0.02〜1ngで定量が可能であり,アレスリンも比較的感度が高く, 0.2〜10ngの範囲で定量できる.
- 社団法人 日本農芸化学会の論文
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